ナイロビ日本人学校 中学校卒業式式辞(2020年3月)
<式辞>
卒業おめでとうございます。いよいよ小学校卒業ですね。
小学校を卒業するって、子供を卒業することだと思います。
そしてこれから始まる中学高校は、子供でもない、大人でもない、そんな時期だと思います。
もう大人がカッコ悪く見えるようになっていますか?なっていれば、立派に子供でもない、大人でもない時期の仲間入りです。
自分でできることが増えて楽しい時期です。一方で、自分にできないことがあることが結構あることが分かり始め、挫折を経験する時期でもあります。
この先、自分のことが信じられなくなることが多かれ少なかれあるはずです。
自分のことが信じられないってかなり辛いことです。
そんな時でも、自分を見捨てて自暴自棄にならないでほしい。未来の自分を信じて頑張ってほしい。
今日、私がお伝えしたいことはこれだけです。
私は中高時代に自信を失い、自分のことを信じられなくなりました。
友達としゃべらなくなりました。
親ともしゃべらない期間が4年も続きました。
家出もしました。
高校受験では第一志望に落ちましたし、大学受験では2浪もしました。
絶対マネしないでくださいね。
自分を信じることができず、本当に辛かったです。
でもなぜか未来の自分は信じることができ、自分のやりたいことを探し続けていました。
何故そうできたのか、よくは分かりませんでしたが、最近はこう思うようになりました。
生まれてから小学校を卒業するまで、家族や先生の愛情に接し、友達と楽しく過ごした幸せな自分があったから、全ての自分を否定するには至らなかったのだと。未来の自分は肯定できたのだと。
〇さんは素晴らしいご家族に囲まれ、この日本人学校で育ちました。
式辞をドラフトするにあたって、先生に〇さんのことを伺いました。
先生からはやるべきことを確実にやり遂げる子です。確実に力をつけており、6年生になってからは図書部長、生徒会副会長など、人の前に立つような役割を自ら担えるようになりました、と教えて頂きました。
小6でコツコツやり遂げるって、すごいことです。自信を持ってください。
同時に、先生のコメントに、生徒への愛情をものすごく感じました。
こんな素敵な先生方がこの学校にいてくれる。私は保護者の一人として、本当にありがたいと感じました。
〇さんは、例え自分のことが信じられなくなって落ち込んだとしても、未来の自分は信じることが必ずできると思います。
愛情を受けて育った小学校の自分が助けてくれるはずです。
自暴自棄になる必要は全くありません。
子供でもなく、大人でもない時期はあっという間に過ぎます。終われば大人です。
自分を磨いて、カッコのいい大人になってほしいと思います。
改めまして、卒業おめでとうございます。